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Malekko Ekko 616 mk1



気持ちのいい減衰のディレイです。




レビュー第5弾です。
探せばわりとレビューを見つけられるのですが、これも長くお世話になったので
とりあえず書いてみようと思います。


これを買っていろいろ試していたらとんでもない音も作れたので、
このメーカーはエレハモチックな印象を持っています。
普通に使えるところのツボをしっかりと押さえながら
ちょっと変態入っている感じ。
あんま知らないんですがこのディレイだけなんでしょうか?

ちなみにこのエフェクターは現在バージョンアップされていまして
基板の色で判別できるようになっています。
初期(mk1)は緑、mk2は青らしいです。
音の違いは弾いていないのでわからないですが、
モジュレーションの操作性と個体の安全性が上がっているようです。
安全性って、mk1はなにか危険性でもあったんでしょうか。
さらに言及すると、こんなものこんなものにも
バージョンアップされているようです。


大きなコントロールツマミは左からtime、mix、regen。
遅延時間の設定、ミックス、フィードバックですね。
小さなものは左からモジュレーションスイッチ、speed、depth、
そしてバイパス方式の切り替えスイッチとなります。
個体内部にもツマミがありまして、これはon時の音量を操作するものになります。

timeとmixに関してはそのままです。
regenはそこそこ上げれば発振します。
あまり多くのアナログディレイを触ったことのない私ですが、
発振の雰囲気について説明させていただくと
音は「ヵッかッカッカッカ…!」といったかかり方で、
丸く太くなっていきます。
ピークを迎えると音は大きめで、そこからtimeコントロールをいじった時の
戻り方はとても急。坂を転げ落ちるかのようです。
急というのは個性ですが、細かな操作性が…ということもあり、
ちょっと好みが分かれるかもしれません。
私は操作がヘタで、デジタル系の扱いやすい発振ものと違って
慣れるまで少し時間がかかりました…。

発振よりもすごいのはモジュレーションです。
かかりが急で、とんでもない音が出せます。
ビブラートとか敵じゃないです。
音程、調性無視みたいな領域に踏み込めます。
で、これを発振と組み合わせるとすごい感じになります。
…普通にも使えますが、ちょっと使えるレンジが狭いかもしれませんね。
しかし軽くかけるとテープ的な雰囲気が附加され、気持ちいいです。

バイパスのスイッチはトゥルーバイパスとバッファードバイパスの切り替えでして、
これによってまた音が激変します。
トゥルーでは原音の高域も抑えられ、いわゆるヴィンテージ系の
アナログディレイっぽい音になります。
逆にバッファードの方ではかなりモダンなアナログディレイとなりまして、
原音は原音のままに出力してくれます。
このバッファーは本当に高品質だと思います。
off時の音の味付けが少なく、それ以降の音質の劣化を防いでくれる感じ。
変化がないとは言いませんが個人的に嫌味は全く無いです。



さて、音のインプレッションですが、もう上で書いてしまった感がありますね。笑
バイパスの切り替えでキャラを決め、セッティング。
原音を邪魔しないアナログディレイとして重宝します。

難点としては、バイパスの切り替えによる音量差があることくらいでしょうか。
アナログディレイのツマミのレンジについては個人的にそこまで重要ではないので
(アナログはあまりテンポをを考えずにかけるか、あるいは発振用途のため)。
バイパスの話ですが、トゥルーバイパスだと高域が減るために
on時に音量が落ちたように聞こえ、音が引っ込みます。
引っ込む音の分を個体内部のツマミで上げ、調整しますよね。
次にそのままバッファードに切り替えて使ってみると、on時の音量が上がります。
高域が甦るからです。
つまり、一本のライブの中で切り替えるというのはできないかもしれません
(トゥルー時はバッキングなどに、バッファードは一発でソロということは可能)。
まぁそもそもブーストスイッチなどではなく、off時のバッファーの有無に焦点を合わせ
開発していると思われるので、そんなもんですよね。


ちなみに私の使い方としては、歪みの前段に組み込んだ時はトゥルーバイパスで、
後段に組み込んだ時はバッファーつけてました。
ディレイを歪ませ、不自然なことも狙ってやることがあったんです。
後段では一発ソロ要員でした。最初は普通のディレイとしても使っていましたが。

あと、個人的なお気に入りはモジュレーションを薄くかけ、
発振ぎりぎりのセッティングにして弾くことです。
発振しかけというのが肝で、とても美しいサウンドを作り出します。



そんなこんなでなかなかお気に入りのディレイだったのですが、
①ボードに赤いエフェクターが増え、中身の色が単調になってしまった
②バンドの都合で、多くのプリセット可能なディレイを置きたくなった
③うっすらディレイはアンプのリバーブで事足りた
④発振プレイが減った(歌わないといけなくなった)
という①に関しては本当にわがままな都合で出番が激減してしまいました。



ところで、私は自称ディレイフェチでして
ディレイは歪みにも負けないくらい個性があると思っています。

その上で、コンパクトのものでいえば
デジタルのディレイのほうが好きかもしれません。
特に
・高域を徐々に劣化させる
・コーラスでアナログ感を演出できる
・残念ながらアナログよりも線の細い感じのディレイ
あるいは、
・高域の劣化具合がアナログと比較してやや少なく
・音の中身が抜け落ちて輪郭だけが薄く残っていくようなディレイ


設定によるかもしれませんが、両方共意外と原音の邪魔をしません。




コンパクトでなければ、テープディレイが一番好きです。
とりわけチューブ駆動のやつがいい。
先ほど上げたデジタルのものより音が柔らかく、しかし
アナログよりはきれいに輪郭が残る。
そのくせ、原音と馴染みが良い。





まぁ、いずれにせよ用途次第なわけですが。
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