Wampler Pedals Faux Tape Echo Tap Delay トレモロバーの向きは気に入らないけど このコード進行は好きです。 この動画を見て購入を決意しました。 レビュー第6弾です。 あまり日本語のレビュー的なものは無い気がするのと 非常にお気に入りなので書くことにします。 Wampler Pedalsの製品は変態チックなものより 程よくアメリカンでスタジオっぽい音が得意な気がします。 やや工業的な感じからしても、ビンテージすらモダンさで表現する感じからしても 近年のUSA製ハイクオリティペダルの筆頭格のようなメーカーというか。 つまり、優等生です。日本人には非常に馴染むと思います。 デジタルアレルギーな方にも是非試して一度欲しい。 悪化するかもしれませんが。 さて、このエフェクターは上でメーカーの印象を述べたとおりです。 デジタルの回路を用いながら、入出力とモジュレーション回路を アナログで構成することにより、テープ的な質感を目指した商品です。 要するに、数年前から流行りっぽい感じがするハイブリッドディレイ。 ちなみに今回紹介するものはタップテンポ付きのものですが、 どうやら前のバージョンではなかったみたいですね。 あったほうが圧倒的に便利。 音に違いがあるかが気になるところではありますが。 コントロールの説明します。 左の上下はlevelとrepeats、右はshade、echo、 中央がmovement、sway、モジュレーションの切り替えスイッチ、 手前の左側がバイパススイッチ、右側がタップテンポです。 levelとrepeatsはそのまんま、返ってくる音の音量と長さ(回数)です。 Shadeはディレイ音のトーンみたいなもので、echoはスピードですね。 常識的なことではありますが、shadeでかなりキャラが左右されます。 よりデジタルディレイっぽくなったり、ハイカットで アナログライクな質感を押し出したディレイだったり…。 あと、shadeは右に回したほうが発振しやすくもなります。 次に中央のコントロールですが、これまた肝です。 テープディレイのフラッター効果を云々…ということですが、 わかりやすくいうとディレイ音に対してかかるビブラート/コーラスです。 マックスでも前回レビューしたmalekko 616 mk1ほどエグくはかからないですが、 余裕で必要十分といったところじゃないでしょうか。 使えない程度にテープがヨレヨレな感じが出てますよね、上の動画でも。 次に発振についてです。 前述のとおり、できてしまいます。 shadeの設定次第ではありますが、repeatsが15時くらいからが目安ですかね。 ここまでいくとかなりリピート回数は多く、また長くなっているので 発振しなくてもややドローンっぽい雰囲気が簡単に作れるようです。 で、音自体は、アクが少ないです。扱いやすいですね。 音量はそこまで劇的には上がらず、発信音はまろやかで太さがあり、 ノブを少しいじっただけで音が激変するようなことはなく、上手くまとまっています。 BOSSのDD-2やDD-3の発振より遥かに好みです。 さて、音の感じですが…原音はほぼ着色がなく、ディレイ音は適度に太い。 shadeの設定に関係なく音は徐々にハイカットされるように減衰するので、 単なるデジタルディレイにはなりえません。 テープディレイのシュミレートはちゃんとそれっぽさを演出してくれ、 設定幅も広いので特殊系(例えばリバースディレイ、キルドライ)以外なんでもできる。 …このまとめ方を多用するのは好きではないのですが、優等生です。超弩級の。 普通の人は満足します。これは間違いないと思います。 しかしここまで優等生であると 自称ディレイマニアの私としては詰めが甘いとも思うわけです。 すなわち、以下の3つです。 ・3連符に対応したタップテンポ ・ディレイ音のローカット ・バッファードバイパス 1つめ、タップテンポがあってデジタルディレイっぽくもできるなら U2ごっことかやりたくなるじゃないですか。 サブディビジョンスイッチとかあっても良かったんじゃないでしょうか。 安価で手に入れる機会があったので本機を買いましたが、 競合機種の一つであると考えられるt-rexのreplicaが似た値段であれば そっちにしていたかもしれません。 慣れればいいだけの話かもしれませんがね、3連符のタップ程度なら。 2つめ、ローカット機能の付加です。 とても太くてアナログ感のあるいいディレイなのですが、個人的に太すぎると邪魔でして。 現在の音をツマミの12時とするならば、若干下げてあげたいくらいです。 strymonのel capistanはこれより少し音が細く低域に濁りがあり (原音の劣化という噂も聞きますが)、テープ独特の儚さが より感じ取りやすくなっている気がします。 濁りは実際のテープが新しいか古いかに依存するので置いといて、 ローカット機能がつけばディレイ音はさらに表情豊かになって そのへんの競合機種は蹴散らせるんじゃないでしょうか。 BOSSのDD-2くらいのローも削られたような(一部錯覚ですが)ディレイの音、 作りたくなることもあるじゃないですか。…ないですか? 3つめ、バッファードバイパスです。 ディレイ音がバイパススイッチとともにバサッと切れるので 残したいこともありますよ、と。 エフェクトon時の原音は劣化が少なく、非常によくできたバッファーだと感じます。 だからこそ、バッファーを常に通してエフェクトオフ時に 残響を残す余地もあるのではと考えるわけです。 いろいろと書きました(最後はただのワガママ)が、 とても優等生ですよね。正直ちょっと腹が立つこともあります。 でもとても好きなディレイの一つです。 プリセットや他の機能が必要になり、 メインボードにはstrymonのtime lineが鎮座しているので 使われないのはもったいないよなぁと オークションで売っぱらおうかと思っていたのですが 触っていたらどうしようか迷ってきちゃったんですよね… もうオク用の写真は撮ってあるのに。 BOSSのDD-2とサブ用を競合するにも、タップテンポはなにかと便利だしなぁ… とか考えてしまって。 というわけで非常におすすめのディレイでした。 PR