Fuchs Plush Crème De La Trem Tremolo 独特の質感を持ったトレモロです。 レビュー第7弾です。 これもあまりレビューを見かけません。 Fuchsはエフェクターよりダンブルクローンのアンプなんかで有名です。 音はビンテージ系統を基本として、現代の音楽シーン(特にスタジオ方面かな)に マッチするように改良が加えられている感じだと思います。 チューブを内蔵したエフェクターを作ったりしてて、 面白いペダルもありそうだなーという印象です。 あとそう、歪みペダルの評判がいいですね。試したことありませんが。 さて、そんなFuchsのPlush FXシリーズのトレモロペダルが本機です。 揺れ方に情緒のあるトレモロないかなーと探していて出会った一台です。 ビンテージフェンダーアンプのような独特の揺れ具合を…みたいな売り文句でしたが 銀パネのチャンプしか触ったことのない私には正直想像がつきませんでした。 とりあえずコントロールの説明です。 左側のノブがspeed、右側がdepthです。 とてもスタンダードなコントロールです。 効き方はややクセがあり、depthは12時を回るまでほとんど揺れてくれません。 speedはゼロからフルまでスムーズに変化しますが、 起点ではかなりゆっくりなので 大体の用途では12時以降で調節するのではないでしょうか。 ちなみに魚雷サウンドは出せません。 ところで私の使う幅の狭さ故かもしれないんですが、 トレモロのスピードってなんであんなに設定がシビアなんだろうって思います。 といいますのも、ノブを回した際にスピードをゆるやかに変化させていくためか ここだ!ってスイートポイントが狭い気がするんですよね。 上記で書いたように、12時以降15時未満、みたいな。 そこまでトレモロをたくさん触ったことがあるわけではないですが、 大抵似た傾向のように思います。 ブルースやジャズをもとにした音楽におけるトレモロの美味しい揺れの範囲は 似通っているように感じるんですが、そこをリニアに設定できると とてもいいなぁという業界への希望です。笑 まぁ、タップテンポつきの買えよって話ですね。 今回紹介するものは極端な設定が出来ないので、そこまでスピードにこだわらずに ふんわりエフェクトをかけるのが正解である機種なんだとは思いますがね。 音のインプレッションです。 音の波形としてはおそらくサイン波なんですが、 えー、フェイザーがかったような、複雑な揺れ方をします。 depthとspeedの設定によってフェイザーっぽさはほとんど消せたりするのですが depthをゆったりいい塩梅にかけるとどうしても少し顔を出しますね。 邪魔な人には邪魔かもしれないです。 vibe系エフェクトをちょっと連想しました。 多分、lovepedalのmini vibeあたりでは内部のトリマの設定次第で ほとんど同じ音が出せるのではないでしょうか (ちなみに信者ってほどじゃないですが、こと音の傾向に関しては lovepedalは非常に好きなメーカーです)。 上記の通り魚雷サウンドは作れず、両方共フルにしても スクウェア波で作れるような過激な感じは期待できません。 しかし、下の動画みたいに匂い立つような雰囲気のトレモロに関しては 設定幅がそれなりにあるので強いです。 基本的にいいところを見てきましたが、 次はイマイチと思ったところを挙げていきます。 例えば、原音の加工感。 onにするとローがややすっきりし、薄くコンプかましたような整った音になります。 offの時はそこまで気にならないのですが、強めの歪みをかますと ローが死ぬぶん、それなりにゲイン落ちしますし。 私はあまり歪ませない人なのでそこまで問題はなかったのですが。 あと、回路的に過電流に弱いのではないかと(強いペダルもどうかと思いますが)。 というのも、スタジオで調子の悪かった3又の分岐ケーブルを使ってしまった際に 一発で故障したのです(幸い、他のペダルは無事でした)。 おかげで3日後のライブのためにトレモロを買い直すはめになり、 5日後のレコーディングにもこれを使えませんでした…。 後々修理に出して別の機会には使用したのですが、最初の方でも使いたかったなぁと。 おかげでケーブルがイカれてるかどうかをすごくチェックするようになりましたよ。 こんなところでしょうか。 トレモロにしてはややアクの強い一品だと思いますが これだけで個性が出せ、柔らかいかかり具合は非常に気持ちのいい音です。 とてもいいペダルでした。 PR