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手元のコントロールがお上手ですね。
地獄のメカニカルトレーニングの小林信一さんはこれのコンボを使われてます。
あと、Chicagoのギタリスト、キース・ホーランド氏が
このモデルの1chのものを使っているそうですね。
この人確か、かっちりとした感じのいぶし銀ギターを弾きますよね。
でも残念ながらこのお二人についてそんなに詳しくないです。
というわけで第1弾、最初のレビューです。
書くことが多すぎて、取り留めのないものになっていること、長いこと、
あくまで私の主観に基づくものでなんら客観性はないということをご了承下さい。
購入はマイアンプに憧れを持ち、いろいろ試していた頃。
海外フォーラムの評判なんかの割には、日本であまり詳しい情報見ないなぁと思いまして。
で、お金が入るタイミングも重なり、物欲に負けました。
基本的なことはこちらを参照(
http://www.h-resolution.com/egnater/Rebel-30Head.html )
(追記:なんだかうまく飛べないみたいです…
ググった結果はこちら。 )
ヘッドの仕様も載せてみます。
クリーンch:ボリューム、ベース、トレブル
ドライブch:ゲイン、ベース、ミドル、トレブル、ボリューム
出力:最大30Wオールチューブアンプ
完全独立2ch仕様
連続可変出力 (1~30W、chごとに設定可能)
TUBE Mix機能(パワー管:EL84と6V6を連続可変)
ボイシングスイッチ(各ch、ブライト、タイト)
真空管
・5x 12AX7
・2x 6V6
・2x EL84
レコーディング出力
サイレントレコーディングモード
エフェクトループ端子
デジタルリバーブ(各ch独立)
4/8/16Ω対応のスピーカー出力
その他一般に目につく情報と同じようなこと書いても面白く無いので、
特に他にあまり見られなかった細かいことについて書けたらと思います。
・根本的な出音について。
ヘッドもキャビもやや硬めな傾向です。
特にキャビが新品の時はかなりそう思いました。
ただ、数ヶ月触ってみると、最初に比べ角がとれてきました。
スピーカーが馴染んだのかセッティングのコツを掴んだのかは
定かじゃないですが、おそらく前者のが強いと思います。
なぜなら、音の変化を感じて設定を変えたからです。
ちなみにスタジオやライブハウスでマーシャルのキャビにつないだ時は、
キャビのモコモコする特性を補う形で、いい具合の音になりました
(しかしスピーカーが4発では、アッテネーター抜きにボリュームをあまり
上げられませんでした。そこまで大きいハコでなかったのもあるとは思います)
というか、本当に最大30wなんでしょうか
めちゃめちゃ音でかいんですが。
一番上の動画、手元で頑張ってても結構爆音だと思いますよ。
・イコライジングについて。
ベースもミッドもトレブルも、いい感じの効きです。
掴めば非常に音が作りやすい。
マーシャルとかと同じで、ミッドはややいわゆる中域の中でも
やや高い位置を変えてくれるようです。
ヌケやキャラに関わるけど上げ過ぎると耳につくというか。
トレブルはヌケ具合と明るさ、ベースはリッチな低域を触ります。
このベースコントロールは肝ですよ。上げ気味のほうが断然気持ちいい。
12時より低くする人は(色んな意味で)かなり他の楽器にアンサンブルの比重を委ねる方かもしれません。
・トグルスイッチについて。
Tightスイッチはオンにすることをオススメします。
アンサンブルではうまくベースの帯域を空け、なおかつ
チューブっぽい音圧と粘りを稼ぐために上げたBassコントロールによって出すぎたローを、
音圧感を残したままスッキリさせてくれます。
これらで作られる音はウォーム&クリアです。
音の濁りも取れますし一石二鳥。
Brightスイッチは、小音量の練習時とサイレントレコーディング時にon、
バンドアンサンブルではoffをおすすめします。
しかしonにするとTrebleコントロールの可変帯域もやや変わるため、
アンサンブルでもonという方もいらっしゃるかもしれません(特にハムバッカーのギター等)。
音量は絞るとトレブルがどうしても落ちますし、サイレントレコーディングで
ライン出力した時も私の環境ではやや音が抜けにくくなりました。
ハイパスのないギターと同じ原理を想像しました。あんま詳しくないですけど。
・Egnater独自のコントロールについて。
ワットコントロールはボリュームにもほんの少し影響が出ますが、
音質の変化で言うと歪みやすさのニュアンスと輪郭、
特にローのレンジ感を操作しているように感じました。
これはちょっと音量上げないとわかりづらいかもしれません…
私は上げ目が好みです。
特にch1は余裕のあるきれいなクリーンに惚れているので。
チューブミックスコントロールは、非常に使えます。
EL84管と6V6管のミックス加減を選択できるというものです。
マーシャルっぽいトレブル・ハイミッドの出方から
フェンダーチックな落ち着いた音まで、しかもそれらを配分することができます。
マーシャルっぽくすると多少ゲインが上がり、両方を均等に配分するにつれ
音量もやや上がっていきます。
mix=5:5で30ワットという話を聞いた気がしますね。
このように、音色の汎用性にはかなり長けます。
もちろん、完全なマーシャル・フェンダーの音は出ませんが。
・リバーブについて
リバーブはデジタルですが、普通に高品質です。
凝ったことをしないのであれば非常に使えます。
私は薄めにかけるのが好みでした。
高品質デジタル故に、深くかけるとくどいかもしれません。
・サイレントレコーディングについて
サイレントレコーディングはダミーロードをかまさなくてもいいので重宝しました。
特に宅録や早朝の個人練習などに。
宅録では最終的にDAW側でいろいろいじりますが、
音圧感や粘りなどはより生々しく録れます。
サイレント+キャビ、という出音方法も選べます。
私のスタイルでは特に必要性を感じなかったので使わなかったため、
言及は省きます。
・キャビネットについて
16Ωモノラル、Celestion Elite-80を1発装備、バーチ材を使用した頑丈構造 みたいな概要でしたが、あまりキャビは詳しくないので…
とりあえず、クローズドバックで頑丈そうって感じはします。
あと、海外フォーラムチラ見した感じだと
12インチのCelestion Elite-80ってのは同社のClassic Lead80と似てるみたいです。
さてさて、書くことの多さに第一回レビューのっけから後悔しています。
・次に各チャンネルについて述べます。
ch1はとてもきれいなクリーンが最大の特徴でありウリだと思います。
ワットコントロールによって多少変わりますが、ヘッドルームが非常に広いので
深い・図太い歪でもいけますしもちろんインプットに挿した空間系にもマッチします。
ボリュームが13時くらいでは、きらびやかなクランチです。
ちなみに爆音です。
フルにするとバリバリしたサウンドになり、普通の用途ではあまり
使えた音ではない気がします。
さらに爆音ですし。
…そうだ。
なんだかボリュームボリュームと繰り返していますが、
ボリュームツマミはやや上げた方がいい音がします。
これはわりとどのチューブアンプでも言えることかもしれませんね。
パワー管のプッシュに関わるのか、柔らかさやレンジ感、チューブっぽさに
大きく貢献してくれます。
ただチューブの音圧感を稼ぎだすと、ちょっと家で弾ける音量ではなくなってきます。
ワットコントロールは音量がさほど変わらず、
CH.1のイコライジングがtreble,bassともに12時、ボリューム9時の設定でも
なかなかの爆音だったため、私はアッテネーターを導入しておりました。
家で弾く上でこの方法はかなり正解だったと思います。
透き通ったクリーンの中にウォームなチューブの感触が残るんです。
アッテネーターなしに自宅で弾く音量にしようと思うと、設定がかなりシビアになりました。
8:00~8:30あたりの狭い範囲でポイントを探す感じでしょうか。
しかもあまりチューブアンプのおいしい部分(独特のコンプ感やローの出方)を
楽しめる感じではなかったです…個人的にですが。
ではch2を。
こちらの最大の特徴はゲイン幅で、ほぼクリーンからモダンハイゲインまで可変します。
ボリュームもゲインにそこそこ関係してくるので、うまくバランスを取って調整する感じでしょうか。
ch1に比べるとヘッドルームは狭く(歪みやすいんですからまぁ当然ですよね)
私はよく歪ませても13時以降にはしませんでした(歪みペダルとのマッチングを考えた結果でも有ります)。
ペダル無し、ボリューム極小でもゲインフルとかにすればメタルも余裕です。
しかしこちらもボリュームを上げないと、ペダルで作った音と遜色ないような歪みになってしまいます。
アッテネーター万歳です。
あと私自身は触ってないとこですが、
デフォルトの真空管はグルーブチューブのもので、
番号が同一ならそのまま交換可能と聞きました。
これは手間と家庭内経済面からして嬉しい機能です。
やっとある程度説明終わった。
それでは特に意味は無いですが、好みのセッティング紹介します。
出力やや低めのシングルコイル(ストラト1976年)で
ch1 Vo@10:00
Ba@13~15:00
Tr@11:00
Tight:on Bright:Off
Ch2 Ga@10~11:00
Ba@13:00
Md@11:00
Tr@12:30
Tight:on Bright:Off
Tube mix:12~13:00(これは本当に個人の好みです)
Wattage Control:両方Max(あるいは音量やレンジ調節のため下げても15:00あたり)
場所によってはアッテネーターかませます。
ch1は音圧感と透明感を兼ね備えたクリーン、
ch2はペダルによる多少のゲインブーストでは音が飽和しきらない程度の
切れの良いコントローラブルなクランチ/オーバードライブ。
手元でもゲインが簡単に調節可能です。
うーん、無難で面白みにかける気もしますが
足元と手元で個性を出すのでこんな感じでしょうか。
あとそうだ。
真空管アンプなので、しっかり発熱します。長時間使用すると特に。
インピーダンスを間違えて接続するとよくないでしょう。
ヘッドのインピーダンスは4,8,16Ωから選択できます。
とにかく扱いさえ掴めてしまえば、素直で汎用性に長けるアンプなので
どんな現場でも何をさせてもできる優等生だと思います。
「アンプでの出音に個性を」という向きなら、チューブミックスコントロールを使い、
あとはスピーカーの選択で楽しくなれるのではないかと思います。