Fuchs Plush Crème De La Trem Tremolo 独特の質感を持ったトレモロです。 レビュー第7弾です。 これもあまりレビューを見かけません。 Fuchsはエフェクターよりダンブルクローンのアンプなんかで有名です。 音はビンテージ系統を基本として、現代の音楽シーン(特にスタジオ方面かな)に マッチするように改良が加えられている感じだと思います。 チューブを内蔵したエフェクターを作ったりしてて、 面白いペダルもありそうだなーという印象です。 あとそう、歪みペダルの評判がいいですね。試したことありませんが。 さて、そんなFuchsのPlush FXシリーズのトレモロペダルが本機です。 揺れ方に情緒のあるトレモロないかなーと探していて出会った一台です。 ビンテージフェンダーアンプのような独特の揺れ具合を…みたいな売り文句でしたが 銀パネのチャンプしか触ったことのない私には正直想像がつきませんでした。 とりあえずコントロールの説明です。 左側のノブがspeed、右側がdepthです。 とてもスタンダードなコントロールです。 効き方はややクセがあり、depthは12時を回るまでほとんど揺れてくれません。 speedはゼロからフルまでスムーズに変化しますが、 起点ではかなりゆっくりなので 大体の用途では12時以降で調節するのではないでしょうか。 ちなみに魚雷サウンドは出せません。 ところで私の使う幅の狭さ故かもしれないんですが、 トレモロのスピードってなんであんなに設定がシビアなんだろうって思います。 といいますのも、ノブを回した際にスピードをゆるやかに変化させていくためか ここだ!ってスイートポイントが狭い気がするんですよね。 上記で書いたように、12時以降15時未満、みたいな。 そこまでトレモロをたくさん触ったことがあるわけではないですが、 大抵似た傾向のように思います。 ブルースやジャズをもとにした音楽におけるトレモロの美味しい揺れの範囲は 似通っているように感じるんですが、そこをリニアに設定できると とてもいいなぁという業界への希望です。笑 まぁ、タップテンポつきの買えよって話ですね。 今回紹介するものは極端な設定が出来ないので、そこまでスピードにこだわらずに ふんわりエフェクトをかけるのが正解である機種なんだとは思いますがね。 音のインプレッションです。 音の波形としてはおそらくサイン波なんですが、 えー、フェイザーがかったような、複雑な揺れ方をします。 depthとspeedの設定によってフェイザーっぽさはほとんど消せたりするのですが depthをゆったりいい塩梅にかけるとどうしても少し顔を出しますね。 邪魔な人には邪魔かもしれないです。 vibe系エフェクトをちょっと連想しました。 多分、lovepedalのmini vibeあたりでは内部のトリマの設定次第で ほとんど同じ音が出せるのではないでしょうか (ちなみに信者ってほどじゃないですが、こと音の傾向に関しては lovepedalは非常に好きなメーカーです)。 上記の通り魚雷サウンドは作れず、両方共フルにしても スクウェア波で作れるような過激な感じは期待できません。 しかし、下の動画みたいに匂い立つような雰囲気のトレモロに関しては 設定幅がそれなりにあるので強いです。 基本的にいいところを見てきましたが、 次はイマイチと思ったところを挙げていきます。 例えば、原音の加工感。 onにするとローがややすっきりし、薄くコンプかましたような整った音になります。 offの時はそこまで気にならないのですが、強めの歪みをかますと ローが死ぬぶん、それなりにゲイン落ちしますし。 私はあまり歪ませない人なのでそこまで問題はなかったのですが。 あと、回路的に過電流に弱いのではないかと(強いペダルもどうかと思いますが)。 というのも、スタジオで調子の悪かった3又の分岐ケーブルを使ってしまった際に 一発で故障したのです(幸い、他のペダルは無事でした)。 おかげで3日後のライブのためにトレモロを買い直すはめになり、 5日後のレコーディングにもこれを使えませんでした…。 後々修理に出して別の機会には使用したのですが、最初の方でも使いたかったなぁと。 おかげでケーブルがイカれてるかどうかをすごくチェックするようになりましたよ。 こんなところでしょうか。 トレモロにしてはややアクの強い一品だと思いますが これだけで個性が出せ、柔らかいかかり具合は非常に気持ちのいい音です。 とてもいいペダルでした。 PR
Wampler Pedals Faux Tape Echo Tap Delay トレモロバーの向きは気に入らないけど このコード進行は好きです。 この動画を見て購入を決意しました。 レビュー第6弾です。 あまり日本語のレビュー的なものは無い気がするのと 非常にお気に入りなので書くことにします。 Wampler Pedalsの製品は変態チックなものより 程よくアメリカンでスタジオっぽい音が得意な気がします。 やや工業的な感じからしても、ビンテージすらモダンさで表現する感じからしても 近年のUSA製ハイクオリティペダルの筆頭格のようなメーカーというか。 つまり、優等生です。日本人には非常に馴染むと思います。 デジタルアレルギーな方にも是非試して一度欲しい。 悪化するかもしれませんが。 さて、このエフェクターは上でメーカーの印象を述べたとおりです。 デジタルの回路を用いながら、入出力とモジュレーション回路を アナログで構成することにより、テープ的な質感を目指した商品です。 要するに、数年前から流行りっぽい感じがするハイブリッドディレイ。 ちなみに今回紹介するものはタップテンポ付きのものですが、 どうやら前のバージョンではなかったみたいですね。 あったほうが圧倒的に便利。 音に違いがあるかが気になるところではありますが。 コントロールの説明します。 左の上下はlevelとrepeats、右はshade、echo、 中央がmovement、sway、モジュレーションの切り替えスイッチ、 手前の左側がバイパススイッチ、右側がタップテンポです。 levelとrepeatsはそのまんま、返ってくる音の音量と長さ(回数)です。 Shadeはディレイ音のトーンみたいなもので、echoはスピードですね。 常識的なことではありますが、shadeでかなりキャラが左右されます。 よりデジタルディレイっぽくなったり、ハイカットで アナログライクな質感を押し出したディレイだったり…。 あと、shadeは右に回したほうが発振しやすくもなります。 次に中央のコントロールですが、これまた肝です。 テープディレイのフラッター効果を云々…ということですが、 わかりやすくいうとディレイ音に対してかかるビブラート/コーラスです。 マックスでも前回レビューしたmalekko 616 mk1ほどエグくはかからないですが、 余裕で必要十分といったところじゃないでしょうか。 使えない程度にテープがヨレヨレな感じが出てますよね、上の動画でも。 次に発振についてです。 前述のとおり、できてしまいます。 shadeの設定次第ではありますが、repeatsが15時くらいからが目安ですかね。 ここまでいくとかなりリピート回数は多く、また長くなっているので 発振しなくてもややドローンっぽい雰囲気が簡単に作れるようです。 で、音自体は、アクが少ないです。扱いやすいですね。 音量はそこまで劇的には上がらず、発信音はまろやかで太さがあり、 ノブを少しいじっただけで音が激変するようなことはなく、上手くまとまっています。 BOSSのDD-2やDD-3の発振より遥かに好みです。 さて、音の感じですが…原音はほぼ着色がなく、ディレイ音は適度に太い。 shadeの設定に関係なく音は徐々にハイカットされるように減衰するので、 単なるデジタルディレイにはなりえません。 テープディレイのシュミレートはちゃんとそれっぽさを演出してくれ、 設定幅も広いので特殊系(例えばリバースディレイ、キルドライ)以外なんでもできる。 …このまとめ方を多用するのは好きではないのですが、優等生です。超弩級の。 普通の人は満足します。これは間違いないと思います。 しかしここまで優等生であると 自称ディレイマニアの私としては詰めが甘いとも思うわけです。 すなわち、以下の3つです。 ・3連符に対応したタップテンポ ・ディレイ音のローカット ・バッファードバイパス 1つめ、タップテンポがあってデジタルディレイっぽくもできるなら U2ごっことかやりたくなるじゃないですか。 サブディビジョンスイッチとかあっても良かったんじゃないでしょうか。 安価で手に入れる機会があったので本機を買いましたが、 競合機種の一つであると考えられるt-rexのreplicaが似た値段であれば そっちにしていたかもしれません。 慣れればいいだけの話かもしれませんがね、3連符のタップ程度なら。 2つめ、ローカット機能の付加です。 とても太くてアナログ感のあるいいディレイなのですが、個人的に太すぎると邪魔でして。 現在の音をツマミの12時とするならば、若干下げてあげたいくらいです。 strymonのel capistanはこれより少し音が細く低域に濁りがあり (原音の劣化という噂も聞きますが)、テープ独特の儚さが より感じ取りやすくなっている気がします。 濁りは実際のテープが新しいか古いかに依存するので置いといて、 ローカット機能がつけばディレイ音はさらに表情豊かになって そのへんの競合機種は蹴散らせるんじゃないでしょうか。 BOSSのDD-2くらいのローも削られたような(一部錯覚ですが)ディレイの音、 作りたくなることもあるじゃないですか。…ないですか? 3つめ、バッファードバイパスです。 ディレイ音がバイパススイッチとともにバサッと切れるので 残したいこともありますよ、と。 エフェクトon時の原音は劣化が少なく、非常によくできたバッファーだと感じます。 だからこそ、バッファーを常に通してエフェクトオフ時に 残響を残す余地もあるのではと考えるわけです。 いろいろと書きました(最後はただのワガママ)が、 とても優等生ですよね。正直ちょっと腹が立つこともあります。 でもとても好きなディレイの一つです。 プリセットや他の機能が必要になり、 メインボードにはstrymonのtime lineが鎮座しているので 使われないのはもったいないよなぁと オークションで売っぱらおうかと思っていたのですが 触っていたらどうしようか迷ってきちゃったんですよね… もうオク用の写真は撮ってあるのに。 BOSSのDD-2とサブ用を競合するにも、タップテンポはなにかと便利だしなぁ… とか考えてしまって。 というわけで非常におすすめのディレイでした。
Malekko Ekko 616 mk1 気持ちのいい減衰のディレイです。 レビュー第5弾です。 探せばわりとレビューを見つけられるのですが、これも長くお世話になったので とりあえず書いてみようと思います。 これを買っていろいろ試していたらとんでもない音も作れたので、 このメーカーはエレハモチックな印象を持っています。 普通に使えるところのツボをしっかりと押さえながら ちょっと変態入っている感じ。 あんま知らないんですがこのディレイだけなんでしょうか? ちなみにこのエフェクターは現在バージョンアップされていまして 基板の色で判別できるようになっています。 初期(mk1)は緑、mk2は青らしいです。 音の違いは弾いていないのでわからないですが、 モジュレーションの操作性と個体の安全性が上がっているようです。 安全性って、mk1はなにか危険性でもあったんでしょうか。 さらに言及すると、こんなものとこんなものにも バージョンアップされているようです。 大きなコントロールツマミは左からtime、mix、regen。 遅延時間の設定、ミックス、フィードバックですね。 小さなものは左からモジュレーションスイッチ、speed、depth、 そしてバイパス方式の切り替えスイッチとなります。 個体内部にもツマミがありまして、これはon時の音量を操作するものになります。 timeとmixに関してはそのままです。 regenはそこそこ上げれば発振します。 あまり多くのアナログディレイを触ったことのない私ですが、 発振の雰囲気について説明させていただくと 音は「ヵッかッカッカッカ…!」といったかかり方で、 丸く太くなっていきます。 ピークを迎えると音は大きめで、そこからtimeコントロールをいじった時の 戻り方はとても急。坂を転げ落ちるかのようです。 急というのは個性ですが、細かな操作性が…ということもあり、 ちょっと好みが分かれるかもしれません。 私は操作がヘタで、デジタル系の扱いやすい発振ものと違って 慣れるまで少し時間がかかりました…。 発振よりもすごいのはモジュレーションです。 かかりが急で、とんでもない音が出せます。 ビブラートとか敵じゃないです。 音程、調性無視みたいな領域に踏み込めます。 で、これを発振と組み合わせるとすごい感じになります。 …普通にも使えますが、ちょっと使えるレンジが狭いかもしれませんね。 しかし軽くかけるとテープ的な雰囲気が附加され、気持ちいいです。 バイパスのスイッチはトゥルーバイパスとバッファードバイパスの切り替えでして、 これによってまた音が激変します。 トゥルーでは原音の高域も抑えられ、いわゆるヴィンテージ系の アナログディレイっぽい音になります。 逆にバッファードの方ではかなりモダンなアナログディレイとなりまして、 原音は原音のままに出力してくれます。 このバッファーは本当に高品質だと思います。 off時の音の味付けが少なく、それ以降の音質の劣化を防いでくれる感じ。 変化がないとは言いませんが個人的に嫌味は全く無いです。 さて、音のインプレッションですが、もう上で書いてしまった感がありますね。笑 バイパスの切り替えでキャラを決め、セッティング。 原音を邪魔しないアナログディレイとして重宝します。 難点としては、バイパスの切り替えによる音量差があることくらいでしょうか。 アナログディレイのツマミのレンジについては個人的にそこまで重要ではないので (アナログはあまりテンポをを考えずにかけるか、あるいは発振用途のため)。 バイパスの話ですが、トゥルーバイパスだと高域が減るために on時に音量が落ちたように聞こえ、音が引っ込みます。 引っ込む音の分を個体内部のツマミで上げ、調整しますよね。 次にそのままバッファードに切り替えて使ってみると、on時の音量が上がります。 高域が甦るからです。 つまり、一本のライブの中で切り替えるというのはできないかもしれません (トゥルー時はバッキングなどに、バッファードは一発でソロということは可能)。 まぁそもそもブーストスイッチなどではなく、off時のバッファーの有無に焦点を合わせ 開発していると思われるので、そんなもんですよね。 ちなみに私の使い方としては、歪みの前段に組み込んだ時はトゥルーバイパスで、 後段に組み込んだ時はバッファーつけてました。 ディレイを歪ませ、不自然なことも狙ってやることがあったんです。 後段では一発ソロ要員でした。最初は普通のディレイとしても使っていましたが。 あと、個人的なお気に入りはモジュレーションを薄くかけ、 発振ぎりぎりのセッティングにして弾くことです。 発振しかけというのが肝で、とても美しいサウンドを作り出します。 そんなこんなでなかなかお気に入りのディレイだったのですが、 ①ボードに赤いエフェクターが増え、中身の色が単調になってしまった ②バンドの都合で、多くのプリセット可能なディレイを置きたくなった ③うっすらディレイはアンプのリバーブで事足りた ④発振プレイが減った(歌わないといけなくなった) という①に関しては本当にわがままな都合で出番が激減してしまいました。 ところで、私は自称ディレイフェチでして ディレイは歪みにも負けないくらい個性があると思っています。 その上で、コンパクトのものでいえば デジタルのディレイのほうが好きかもしれません。 特に ・高域を徐々に劣化させる ・コーラスでアナログ感を演出できる ・残念ながらアナログよりも線の細い感じのディレイ あるいは、 ・高域の劣化具合がアナログと比較してやや少なく ・音の中身が抜け落ちて輪郭だけが薄く残っていくようなディレイ 設定によるかもしれませんが、両方共意外と原音の邪魔をしません。 コンパクトでなければ、テープディレイが一番好きです。 とりわけチューブ駆動のやつがいい。 先ほど上げたデジタルのものより音が柔らかく、しかし アナログよりはきれいに輪郭が残る。 そのくせ、原音と馴染みが良い。 まぁ、いずれにせよ用途次第なわけですが。
Human Gear Fine DS …なぜLyu:Lyuの動画を貼り付けたかというと、 ストラトとマーシャルの間にこれを突っ込むとちょうどこんな感じの音がするからです。 レビュー第4弾です。 探せば結構見つかるのですが、割と長く使ってたので書いてみます。 Human GearのFINE DS、FINEシリーズのディストーションモデルです。 Human Gearは八木浩さん主催のメーカーでして、 公式サイトの各モデルをクリックしてみればわかるのですが、 なかなか興味深い商品紹介が目を引きます (HSWでもそうでしたが、このへんを興味深いと捉えるか胡散臭いと捉えるか、 誇大広告じゃないのかと疑うかは自由だと思います)。 ベンジーこと浅井健一さんが使用しているvivaceなんかで一気に有名になったんですかね? あんま詳しくないですが。 あと、エフェクターについては塗装が剥げやすいことで有名です。 さてさて本題。本機Fine DSについてです。 コントロールツマミは左からボリューム・ゲイン・トーン。 それぞれの間にあるスイッチは左が非対称/対称クリッピングの切り替え、 右側はプレゼンス(アンプでいうブライトスイッチ?)です。 ボリュームはゲインやトーンと調節しながら上げていく感じだと思うのですが 目盛りがないのでちょっと不便に感じました。 通常の使用では10時~12時の間で調節するのだと思うのですが 少し動くと音量が変わってしまうため、個体に書かれている文字を頼りに 毎回微調整していたのを思い出します。 ゲインは、回すとクランチからディストーションまでスムーズに可変します。 これに関しては特に問題ありません。 トーンは、ブライトスイッチとの兼ね合いで音の抜け具合などを調節する感じですかね。 ボリュームにやや関係するタイプのトーンでもあります。 クリッピングの切り替えスイッチは、非対称を選択すると 上から下まで出る強めの暴れる歪みになります。 対称クリッピングだと、上と下がやや削られ、扱いやすいです。 この時の抜け感を確保するために、トーンを上げるかブライトスイッチをonにするか したほうがいいんじゃないかと思います(とはいえ、元々抜けの良い歪みではありますが)。 ブライトスイッチは、前述のとおりです。 非対称クリッピング時にonにすればちょっとギラギラになります。 ストラトのミドルかリアを基調にアンプの音を作り、フロントPUを選択してこれをかませば グラマラスかつキレのあるトーンの出来上がりでした。 音の印象ですが、全体の傾向としてはクリアでモダンです。 ローは量感がありながら適度に締まり、中域はコシと旨みを持ちつつも滑らか、 高域は抜けの良いややファズっぽいキラキラ感があります。 非対称クリッピング・歪みは適度・ブライトスイッチonにしてJC-120につなぎ、 間にテープディレイ系のシュミレーターを入れてチャンネルリンクして ストラトでCharごっこをしていると友人曰く「似ている。音だけは」との評でした。 ニュアンスの出は良いです。ボリュームの追従性も良いです。 BD-2よりやや劣るくらい?全然ギターのボリューム絞っても使えます。 他のペダルと同時使用時に、ブーストされるのはやや苦手です。 ブーストする場合は用途次第って感じでしょうか。 ただ、ゲインはあまり上げないほうがいいかもしれません。 アンプをブースト場合はトーンを絞ったほうがいいでしょうか。 ちなみにわたしは単体使用がオススメです。 このペダル自体、キャラは濃いめなので。 いろいろと書きましたが、肝は量感のあるミッドだと感じました。 上記Lyu:Lyuの音源はCDの音源と少し違うのですが、CDの方ですとよりわかります。 ファズっぽい高域やブライトスイッチのお陰で抜けるので、無駄にトーンを回す必要がなく、 いかにミッドの旨みを引き出すかを考えたほうがいい音が作れるのではないかと。 ボリュームつまみはアレですが、音は大好きなペダルです。
Honda sound works fab super 残念ながら今回は動画なしです。HSW関係の動画はそろそろどなたかいい音質でYouTubeなんかにアップしてもいいと思うのです。私ですか?お耳を汚すだけなのでしません。というわけで、レビュー第3弾です。ホンダサウンドワークス(HSW)は本田博之さんが主催しているメーカーでしてなかなか革新的な機材を製作されていることでも知られています。その中でも一時期話題になったのが、スパイスというブツ。その衝撃の中身は、こんな感じ。基本的にジャックをヴィンテージワイヤーで橋渡ししているだけです。なにやら、汚いファズ系の音をまろやかにしたり適度なコンプ感を生む効果があるのだとか…私は試したことがないのでよく知りませんが。その他巷で聞かれるところによるとなにやらオカルティックなモディファイまでされているそうですが多くのプロがアンプやギターの調整を任せているところを見ると腕は確かなようです。しかも私の好きなギタリスト多し。一度お会いしてみたい。さてさて、今回はそんなホンダサウンドワークスのペダル、Fab Superというオーバードライブについてつらつらと書いてみます。ちなみに私が所有しているものはエナジーチューンというのが施されたものでしておそらくジャックなんかに何か細工をしてあるらしいのですがその効果などは他のものを弾いたことがないのでわかりません。Fab SuperはHSWのFabシリーズの中に含まれるドライブペダルです。この中ではFab Driveという製品が1番メジャーでしょうか。Fab DriveはTS系の最高峰とも謳われているペダルです。少し聞いたところによると、ニュアンスの出るスッキリしたTS、ということですね。今回ご紹介するFab Superも、ベースとなっているのはいわゆるTS系ODです。歪みの深さは普通のTSとは違い、ほぼクリーンから軽いディストーションくらいまでいきます。ディストーションといいますが、これがなんとも言い難い感じでして…オーバードライブの質感のまま歪みを強くしていった感じでしょうか。ここがディストーションとの境だ、というのが非常にわかりにくい。で、歪みが深くなるとともにコンプ感が足されていきます。とてもナチュラルな歪みで、最大でも過剰なコンプレッションは感じず、また、ギターのボリュームへの追従性はTSにしてはまずまずです。非常にまとまった音がしますので、「アンプライク」ではないです。しかしこの辺はおそらく計算して作られていますね。なぜなら、ブースターとして使用した時にこのコンプ感と音のまとまりゆえ、弾きやすいからです。弾きやすさを残しながらニュアンスを殺さないあたりは、絶妙な調整ではないでしょうか。パーツの選定にはかなり気を遣われたのではないかと思います。コントロールは、ボリューム、トーン、ゲイン。だいたいのものはゲインを上げるとボリュームも上がるのですがこれに関してはほぼ上がる印象がないです。つまり、音量を固定してからゲインの調整という手順が踏めます。トーンはトレブルの出方の調整でして、ローの出方自体は弄ってなさそうです。ちなみにこれはボリュームに関係してしまいます。ツマミを右に回すと、トレブル付近の音量が上がるので、全体的なボリューム自体も大きくなると。しかし12時より下げても輪郭を支えるトレブルはまだ残って全然使えるトーンですし逆にフルテンでも単体使用では耳に痛くないですね。さすがに絞り切ってはあまり使えませんが。ゲインは、12時くらいまではクリーンから軽めのオーバードライブ、それ以降はやや飽和感と倍音の増加を伴いながら歪みが深くなります。また、どんなものでもそうなのですが、倍音を纏うにつれ原音は若干ぼやけて聞こえると思います。もちろんこのペダルも例外ではありません。強く歪ませられないのでほんの若干ですが。12時以降は少し微細な変化になってきますので、セッティングを追い込みたい人は袋小路に迷い込むかもしれません。いろんな意味でそれが都合のいいこともあるとは思いますが。で、重要な出音なのですが、キレのいい感じのです。極端なハイと重苦しいローはカットされ、歪み方は雑味が少なくなめらか。ミッドを中心としていながらも、TSのように鼻につくミッドにより過ぎている雰囲気ではなく、むしろ心地よい中低域よりの音色とトーンによるトレブルの足し引きが肝です。音のまとまり具合からJCでもいい感じの活躍をしてくれます。あ、ちなみにHSWのヒット商品であるLennyも弾いたことがあります。これはFab Superと比べやや歪みは弱く、ボリュームやピッキングの追従性は若干向上、スッキリしたFab Superよりも中域の雑味というか旨み成分みたいなのが強く余分なローは同じようにバッサリ切るタイプだったように思います。あとハイミッドとかトレブルが強め。さてさて。私が辿り着いた結論としては、このペダルはゲインブースターに最も適しています。単体使用でも独特の質感から重すぎない反面、リードをとるのにこれ単体では物足りない方が多いと思われます。バッキングとしてはおそらくトーンは上げ目の設定となり(上げ目の方がキレが強調され、気持ちいいです)コンプ感も合いまって安定した演奏が可能です。また前段からブーストされた時、本機のゲインが高めであればあまり良好な結果は得られないかもしれません。クリーンブースターとして使えないことはないですが、もっと他のものがあると思います…。しかしゲインブースターとしては・不要なロー削れる・抜け具合を調節可能(トーン:上げすぎるとハウる)・ゲインは 幅が広い(12時くらいで十分、それ以降は倍音の豊かさで調節可能!)・操作性(ゲインの足し具合を決め、それからボリュームとトーンでブースト加減を決められる)という風に、使いやすさがいくつもあげられるわけです。むしろこの用途を狙っての設計じゃないんでしょうかね、これ。(見当違いだったらすみません)。基本的にいいとこばっか書いてますがだいたい中古ながらもかなり厳選して買っているので当たり前っちゃ当たり前です。このペダルに関しては2万円切ってたら買いじゃないでしょうか。と言ってもなかなか玉数がないので、困ったものですよね。誰のためになるんだろうかこの記事…。(2014.12.3)少し加筆・修正しました。やっぱ質感が独特なのでなかなか代用のききそうなブツが見当たりません。そのうち比較記事でも書こうかと思ってます。手放したものも含めTS系ODの。