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MXR M-108 10band EQ

どなたかは知りませんが、このおっさん好きです。
メタル好きなZZ TOPっぽくて。



レビュー第8弾です。
ふと機会がありまして、今回レビューすることにしました。
といいましても、実はあまりEQ触ったことありません。



MXRというメーカーについては
ここに来られる皆さんならばよくお知りではないかと思います。
超大手老舗ブランドJim Dunlopのエフェクターに特化したメーカーの一つです。多分。
というか今Jim Dunlopについて調べて自分なりに整理して載せようと思ったのですがやめました。
徹夜覚悟でパソコン打たないとまとめれる気がしません。銘器や話題が多すぎる。




さてさてそんなMXR。
このメーカーは面白いバイパス方式を謳っております。
すなわち、hardwire bypass、true hardwire bypass、buffer bypassの3種類です。
製品はこのいずれかに該当します。
で、それってなんぞや?という話なのですが、
hardwire bypassというのは、エフェクト内部を常に信号が通るものです。
まずギターから入ってきた信号をエフェクト用とバイパス用にわけます。
それぞれの信号は出力側に繋がれており、独立しています。
この2回路をスイッチで切り替えることでエフェクトのon/offをする方式です。
true hardwire bypassというのはいわゆるtrue bypassと一緒です。
というか基本的なバイパス知識のない方はこちらをどうぞ。
勝手にリンク貼ってますが、ほんと神様だと思いますRE-J。
話題がそれますが、大好きなメーカーです,。愛用してます。
buffer bypassはまんまですね。
常にバッファーを通るバイパス方式。
今回、私情ですがMXRのエフェクターについて話題になったのは、
スイッチングノイズについてです。
スイッチングノイズは機械式スイッチの宿命とも言われています。
MXRのエフェクターの一部は看過できないほどこのノイズが酷いとの相談を受けまして。
あまり詳しいことはわかっていないのですが個人的に実験した結果、
①レギュレートされたきれいな電源を使う
②後段にローインピーダンスに変換してくれるバッファなどを置く
③ギター由来のものを含め、シールドや分岐ケーブルのノイズを減らす
④スイッチを優しく踏む
⑤グリスでごまかしたり拍に合わせて切り替えたりする
ということでノイズが低減する・あるいはごまかせることがわかりました。
ちなみに歪みの強いエフェクターだと、スイッチングノイズが目立ちにくいです。
理由はボリュームを含む音質が大きく変化するからであると考えています。
ファズやディストーションは音を変えてなんぼのものです。
多少バチッと切り替わってもノイズがないと錯覚するわけですね。
逆に目立ちやすいのは今回紹介するEQやDyna compなど、
ゲインなどが原音とさほど変わらないものです。
他社のものですが、スイッチングノイズを返してくれるディレイなどは
イラッと来る時がありました。雰囲気ぶち壊し。
で、実を申しますと今回特に強調しておきたいのが②です。
「スイッチングノイズは入出力のインピーダンスの電位差によって大きくなる」
というような記事を見つけまして、いろいろ試してみる価値はあるなと。
そもそもの記事では、出力側に抵抗をつける…みたいなことを書いていたのですが
自作はもうだいぶやってなくてパーツも残ってないので却下。
接続順を変えていく試行ではたしかに後段にバッファを置いた際に
それ以前のペダルの出すスイッチングノイズが
かなり目立たなくなるのがわかりました。
ちなみに前段の方にバッファを置いてもあまり効用を感じませんでした。
詳しい方はこのへんの理論的なことをご教授いただけるとありがたいです。
実は私はまっっっっっっっっっっったくわかっておりません。
通りすがりの方、本当に教えて下さい。



さて、非常に脱線しました。
コントロール行きます。
一番左右のフェーダーは入出力ゲインの調整になってまして。
これはPUの違いやエフェクト内の飽和感なんかを調節するためにあるんですかね。
もちろんただのボリュームとして使えます。
18V駆動なのでヘッドルームもそこそこ広く、
エフェクター内部では歪みにくい仕様だと思います。
で、このフェーダー、OFF時も光ります。
ちなみにトゥルーバイパスなんでしょうか。
以下の取説ではDESCRIPTIONとSPECIFICATIONSで
記載してあるバイパス方式が違うのですが…。
http://www.jimdunlop.com/files/manuals/M108_man_web.pdf
ちなみに手放してしまい手元にないので日本語の取説は参照できません。
次、ゲインに挟まれたフェーダーは各バンド周波数のボリュームを操作するものでして
31.25Hz, 62.5Hz, 125Hz, 250Hz, 500Hz, 1K, 2K, 4K, 8KHz, 16KHzを
それぞれ±12dBの範囲でブーストできます。
必要十分な増減ですね




さて、音はどうかと言いますと、これがまたわかりません。
BOSSのEQに比べると直結時の音やせは少ない気はします。
音が変わる感じは確かに若干にありますが、そう気になるものでもないと思います。
それぞれの帯域の効きは素直です。とくに何も思いません。
ノイズはどうなのかといいますと、用途次第、といえます。
例えばこの動画のように高周波数域を上げきればノイズは出ます。


しかし実際にヒスノイズの出まくるこのセッティングの音が
果たして使える音かというと、それもどうかと思います。
少なくとも私はしませんでした。
よほどもともと音が柔らかいギターや出さないセッティングの場合には
有効なのかもしれません。
EQによるブーストはPUと前段のペダルのノイズを増幅する行為なので
上記動画のノイズレスmodはある意味すげーと思ってしまいますが。
…でもノイズって大事じゃね?ないと不自然じゃん。



さて、個人的にダメだと思ったところを指摘していきましょう。
まず、ギターでの仕様において重要なミドルのバンドが少ない。
800Hzをいじれば音は非常に変わるのですが。
というか、ミックスとかされている方ならわかると思うのですが
ギターの上と下って邪魔じゃないですか。
例えば31.25Hz, 62.5Hz, 16KHzとかって、私ならがっつり切ります。
もちろんベースの下はいる帯域でしょう。ベースは上が邪魔なので切ります。
で、問題なのは、ギターとベース両方をターゲットにした結果として
ギターにとって美味しいミッドを殺している点ですね。
ベースにとってはそこそこいいと思います。
125Hz, 250Hz, 500Hzあたりはドラムとの相性で触る美味しいところです。
1K, 2K, 4KHzのハイミッド~トレブルあたりはギターの抜け具合を左右してくれる
重要なところではあります(上手くやらないとボーカルを殺しますし)。
しかしなんか中途半端な印象なんですよね…どちらにも振りきれない感じが。


ちなみに管理人はの使い方としては
①歪み前段のトレブルブースター的仕使用
②歪み後段のローとトレブルを足したクリーンブースト的使用
③メタリックなことやる際にドンシャリを作るバッキング用EQ的使用
のどれかでした。

①と②はブースター探しの旅の途中における策です。
しかしこれではなんでも出来てしまい面白みがなくなったのと
ライブやっててもEQのプラグイン差してる気分になったのでやめました。
ノッチフィルターにもなり、あるいは強制的にハウリングを起こすような使い方もできて
便利っちゃ便利なんですがねー。

③はメタリックな歪みを持っていない私の苦肉の策です。嫌いなんやもんそういうの。
ややボリュームを下げミッド周辺にあたりそうなところを削って常にon、
ソロやリフでoffみたいな感じでしたかね。
メタルする時はマルチ+JCのセンドリターンという方針を固めてから
③も必要無くなりました。

ドンシャリは適度でないと抜けなくなるので苦労しました。
やはり上の動画のような極端なセッティングは
かなりアバンギャルドなジャンルでないとやらない気がします
私がいじる増減の範囲って±6で収まっていましたし。
それ以上やると加工感が気に障るかもしれないです。
チューブ感を損なわない程度にローはぶった斬りますが。



さて、やはり脱線メインな気がしないでもないですが
以上のようなレビューになります。
ギター弾きとしては、グラフィックイコライザーで
中域を細かく調整できるものが出てきてくれたらなあと思います。
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Fuchs Plush Crème De La Trem Tremolo



独特の質感を持ったトレモロです。



レビュー第7弾です。
これもあまりレビューを見かけません。


Fuchsはエフェクターよりダンブルクローンのアンプなんかで有名です。
音はビンテージ系統を基本として、現代の音楽シーン(特にスタジオ方面かな)に
マッチするように改良が加えられている感じだと思います。
チューブを内蔵したエフェクターを作ったりしてて、
面白いペダルもありそうだなーという印象です。
あとそう、歪みペダルの評判がいいですね。試したことありませんが。



さて、そんなFuchsのPlush FXシリーズのトレモロペダルが本機です。
揺れ方に情緒のあるトレモロないかなーと探していて出会った一台です。
ビンテージフェンダーアンプのような独特の揺れ具合を…みたいな売り文句でしたが
銀パネのチャンプしか触ったことのない私には正直想像がつきませんでした。



とりあえずコントロールの説明です。
左側のノブがspeed、右側がdepthです。
とてもスタンダードなコントロールです。
効き方はややクセがあり、depthは12時を回るまでほとんど揺れてくれません。
speedはゼロからフルまでスムーズに変化しますが、
起点ではかなりゆっくりなので
大体の用途では12時以降で調節するのではないでしょうか。
ちなみに魚雷サウンドは出せません。

ところで私の使う幅の狭さ故かもしれないんですが、
トレモロのスピードってなんであんなに設定がシビアなんだろうって思います。
といいますのも、ノブを回した際にスピードをゆるやかに変化させていくためか
ここだ!ってスイートポイントが狭い気がするんですよね。
上記で書いたように、12時以降15時未満、みたいな。
そこまでトレモロをたくさん触ったことがあるわけではないですが、
大抵似た傾向のように思います。
ブルースやジャズをもとにした音楽におけるトレモロの美味しい揺れの範囲は
似通っているように感じるんですが、そこをリニアに設定できると
とてもいいなぁという業界への希望です。笑
まぁ、タップテンポつきの買えよって話ですね。

今回紹介するものは極端な設定が出来ないので、そこまでスピードにこだわらずに
ふんわりエフェクトをかけるのが正解である機種なんだとは思いますがね。



音のインプレッションです。
音の波形としてはおそらくサイン波なんですが、
えー、フェイザーがかったような、複雑な揺れ方をします。
depthとspeedの設定によってフェイザーっぽさはほとんど消せたりするのですが
depthをゆったりいい塩梅にかけるとどうしても少し顔を出しますね。
邪魔な人には邪魔かもしれないです。
vibe系エフェクトをちょっと連想しました。
多分、lovepedalのmini vibeあたりでは内部のトリマの設定次第で
ほとんど同じ音が出せるのではないでしょうか
(ちなみに信者ってほどじゃないですが、こと音の傾向に関しては
lovepedalは非常に好きなメーカーです)。
上記の通り魚雷サウンドは作れず、両方共フルにしても
スクウェア波で作れるような過激な感じは期待できません。
しかし、下の動画みたいに匂い立つような雰囲気のトレモロに関しては
設定幅がそれなりにあるので強いです。





基本的にいいところを見てきましたが、
次はイマイチと思ったところを挙げていきます。

例えば、原音の加工感。
onにするとローがややすっきりし、薄くコンプかましたような整った音になります。
offの時はそこまで気にならないのですが、強めの歪みをかますと
ローが死ぬぶん、それなりにゲイン落ちしますし。
私はあまり歪ませない人なのでそこまで問題はなかったのですが。

あと、回路的に過電流に弱いのではないかと(強いペダルもどうかと思いますが)。
というのも、スタジオで調子の悪かった3又の分岐ケーブルを使ってしまった際に
一発で故障したのです(幸い、他のペダルは無事でした)。
おかげで3日後のライブのためにトレモロを買い直すはめになり、
5日後のレコーディングにもこれを使えませんでした…。
後々修理に出して別の機会には使用したのですが、最初の方でも使いたかったなぁと。
おかげでケーブルがイカれてるかどうかをすごくチェックするようになりましたよ。



こんなところでしょうか。
トレモロにしてはややアクの強い一品だと思いますが
これだけで個性が出せ、柔らかいかかり具合は非常に気持ちのいい音です。
とてもいいペダルでした。

Wampler Pedals Faux Tape Echo Tap Delay





トレモロバーの向きは気に入らないけど
このコード進行は好きです。
この動画を見て購入を決意しました。









レビュー第6弾です。
あまり日本語のレビュー的なものは無い気がするのと
非常にお気に入りなので書くことにします。







Wampler Pedalsの製品は変態チックなものより
程よくアメリカンでスタジオっぽい音が得意な気がします。
やや工業的な感じからしても、ビンテージすらモダンさで表現する感じからしても
近年のUSA製ハイクオリティペダルの筆頭格のようなメーカーというか。
つまり、優等生です。日本人には非常に馴染むと思います。
デジタルアレルギーな方にも是非試して一度欲しい。
悪化するかもしれませんが。







さて、このエフェクターは上でメーカーの印象を述べたとおりです。
デジタルの回路を用いながら、入出力とモジュレーション回路を
アナログで構成することにより、テープ的な質感を目指した商品です。
要するに、数年前から流行りっぽい感じがするハイブリッドディレイ。
ちなみに今回紹介するものはタップテンポ付きのものですが、
どうやら前のバージョンではなかったみたいですね。
あったほうが圧倒的に便利。
音に違いがあるかが気になるところではありますが。





コントロールの説明します。
左の上下はlevelとrepeats、右はshade、echo、
中央がmovement、sway、モジュレーションの切り替えスイッチ、
手前の左側がバイパススイッチ、右側がタップテンポです。

levelとrepeatsはそのまんま、返ってくる音の音量と長さ(回数)です。
Shadeはディレイ音のトーンみたいなもので、echoはスピードですね。
常識的なことではありますが、shadeでかなりキャラが左右されます。
よりデジタルディレイっぽくなったり、ハイカットで
アナログライクな質感を押し出したディレイだったり…。
あと、shadeは右に回したほうが発振しやすくもなります。



次に中央のコントロールですが、これまた肝です。
テープディレイのフラッター効果を云々…ということですが、
わかりやすくいうとディレイ音に対してかかるビブラート/コーラスです。
マックスでも前回レビューしたmalekko 616 mk1ほどエグくはかからないですが、
余裕で必要十分といったところじゃないでしょうか。
使えない程度にテープがヨレヨレな感じが出てますよね、上の動画でも。







次に発振についてです。
前述のとおり、できてしまいます。
shadeの設定次第ではありますが、repeatsが15時くらいからが目安ですかね。
ここまでいくとかなりリピート回数は多く、また長くなっているので
発振しなくてもややドローンっぽい雰囲気が簡単に作れるようです。
で、音自体は、アクが少ないです。扱いやすいですね。
音量はそこまで劇的には上がらず、発信音はまろやかで太さがあり、
ノブを少しいじっただけで音が激変するようなことはなく、上手くまとまっています。
BOSSのDD-2やDD-3の発振より遥かに好みです。






さて、音の感じですが…原音はほぼ着色がなく、ディレイ音は適度に太い。
shadeの設定に関係なく音は徐々にハイカットされるように減衰するので、
単なるデジタルディレイにはなりえません。
テープディレイのシュミレートはちゃんとそれっぽさを演出してくれ、
設定幅も広いので特殊系(例えばリバースディレイ、キルドライ)以外なんでもできる。
…このまとめ方を多用するのは好きではないのですが、優等生です。超弩級の。
普通の人は満足します。これは間違いないと思います。



しかしここまで優等生であると
自称ディレイマニアの私としては詰めが甘いとも思うわけです。
すなわち、以下の3つです。



・3連符に対応したタップテンポ
・ディレイ音のローカット
・バッファードバイパス



1つめ、タップテンポがあってデジタルディレイっぽくもできるなら
U2ごっことかやりたくなるじゃないですか。
サブディビジョンスイッチとかあっても良かったんじゃないでしょうか。
安価で手に入れる機会があったので本機を買いましたが、
競合機種の一つであると考えられるt-rexのreplicaが似た値段であれば
そっちにしていたかもしれません。
慣れればいいだけの話かもしれませんがね、3連符のタップ程度なら。



2つめ、ローカット機能の付加です。
とても太くてアナログ感のあるいいディレイなのですが、個人的に太すぎると邪魔でして。
現在の音をツマミの12時とするならば、若干下げてあげたいくらいです。
strymonのel capistanはこれより少し音が細く低域に濁りがあり
(原音の劣化という噂も聞きますが)、テープ独特の儚さが
より感じ取りやすくなっている気がします。
濁りは実際のテープが新しいか古いかに依存するので置いといて、
ローカット機能がつけばディレイ音はさらに表情豊かになって
そのへんの競合機種は蹴散らせるんじゃないでしょうか。
BOSSのDD-2くらいのローも削られたような(一部錯覚ですが)ディレイの音、
作りたくなることもあるじゃないですか。…ないですか?



3つめ、バッファードバイパスです。
ディレイ音がバイパススイッチとともにバサッと切れるので
残したいこともありますよ、と。
エフェクトon時の原音は劣化が少なく、非常によくできたバッファーだと感じます。
だからこそ、バッファーを常に通してエフェクトオフ時に
残響を残す余地もあるのではと考えるわけです。







いろいろと書きました(最後はただのワガママ)が、
とても優等生ですよね。正直ちょっと腹が立つこともあります。
でもとても好きなディレイの一つです。
プリセットや他の機能が必要になり、
メインボードにはstrymonのtime lineが鎮座しているので
使われないのはもったいないよなぁと
オークションで売っぱらおうかと思っていたのですが
触っていたらどうしようか迷ってきちゃったんですよね…
もうオク用の写真は撮ってあるのに。
BOSSのDD-2とサブ用を競合するにも、タップテンポはなにかと便利だしなぁ…
とか考えてしまって。



というわけで非常におすすめのディレイでした。

Malekko Ekko 616 mk1



気持ちのいい減衰のディレイです。




レビュー第5弾です。
探せばわりとレビューを見つけられるのですが、これも長くお世話になったので
とりあえず書いてみようと思います。


これを買っていろいろ試していたらとんでもない音も作れたので、
このメーカーはエレハモチックな印象を持っています。
普通に使えるところのツボをしっかりと押さえながら
ちょっと変態入っている感じ。
あんま知らないんですがこのディレイだけなんでしょうか?

ちなみにこのエフェクターは現在バージョンアップされていまして
基板の色で判別できるようになっています。
初期(mk1)は緑、mk2は青らしいです。
音の違いは弾いていないのでわからないですが、
モジュレーションの操作性と個体の安全性が上がっているようです。
安全性って、mk1はなにか危険性でもあったんでしょうか。
さらに言及すると、こんなものこんなものにも
バージョンアップされているようです。


大きなコントロールツマミは左からtime、mix、regen。
遅延時間の設定、ミックス、フィードバックですね。
小さなものは左からモジュレーションスイッチ、speed、depth、
そしてバイパス方式の切り替えスイッチとなります。
個体内部にもツマミがありまして、これはon時の音量を操作するものになります。

timeとmixに関してはそのままです。
regenはそこそこ上げれば発振します。
あまり多くのアナログディレイを触ったことのない私ですが、
発振の雰囲気について説明させていただくと
音は「ヵッかッカッカッカ…!」といったかかり方で、
丸く太くなっていきます。
ピークを迎えると音は大きめで、そこからtimeコントロールをいじった時の
戻り方はとても急。坂を転げ落ちるかのようです。
急というのは個性ですが、細かな操作性が…ということもあり、
ちょっと好みが分かれるかもしれません。
私は操作がヘタで、デジタル系の扱いやすい発振ものと違って
慣れるまで少し時間がかかりました…。

発振よりもすごいのはモジュレーションです。
かかりが急で、とんでもない音が出せます。
ビブラートとか敵じゃないです。
音程、調性無視みたいな領域に踏み込めます。
で、これを発振と組み合わせるとすごい感じになります。
…普通にも使えますが、ちょっと使えるレンジが狭いかもしれませんね。
しかし軽くかけるとテープ的な雰囲気が附加され、気持ちいいです。

バイパスのスイッチはトゥルーバイパスとバッファードバイパスの切り替えでして、
これによってまた音が激変します。
トゥルーでは原音の高域も抑えられ、いわゆるヴィンテージ系の
アナログディレイっぽい音になります。
逆にバッファードの方ではかなりモダンなアナログディレイとなりまして、
原音は原音のままに出力してくれます。
このバッファーは本当に高品質だと思います。
off時の音の味付けが少なく、それ以降の音質の劣化を防いでくれる感じ。
変化がないとは言いませんが個人的に嫌味は全く無いです。



さて、音のインプレッションですが、もう上で書いてしまった感がありますね。笑
バイパスの切り替えでキャラを決め、セッティング。
原音を邪魔しないアナログディレイとして重宝します。

難点としては、バイパスの切り替えによる音量差があることくらいでしょうか。
アナログディレイのツマミのレンジについては個人的にそこまで重要ではないので
(アナログはあまりテンポをを考えずにかけるか、あるいは発振用途のため)。
バイパスの話ですが、トゥルーバイパスだと高域が減るために
on時に音量が落ちたように聞こえ、音が引っ込みます。
引っ込む音の分を個体内部のツマミで上げ、調整しますよね。
次にそのままバッファードに切り替えて使ってみると、on時の音量が上がります。
高域が甦るからです。
つまり、一本のライブの中で切り替えるというのはできないかもしれません
(トゥルー時はバッキングなどに、バッファードは一発でソロということは可能)。
まぁそもそもブーストスイッチなどではなく、off時のバッファーの有無に焦点を合わせ
開発していると思われるので、そんなもんですよね。


ちなみに私の使い方としては、歪みの前段に組み込んだ時はトゥルーバイパスで、
後段に組み込んだ時はバッファーつけてました。
ディレイを歪ませ、不自然なことも狙ってやることがあったんです。
後段では一発ソロ要員でした。最初は普通のディレイとしても使っていましたが。

あと、個人的なお気に入りはモジュレーションを薄くかけ、
発振ぎりぎりのセッティングにして弾くことです。
発振しかけというのが肝で、とても美しいサウンドを作り出します。



そんなこんなでなかなかお気に入りのディレイだったのですが、
①ボードに赤いエフェクターが増え、中身の色が単調になってしまった
②バンドの都合で、多くのプリセット可能なディレイを置きたくなった
③うっすらディレイはアンプのリバーブで事足りた
④発振プレイが減った(歌わないといけなくなった)
という①に関しては本当にわがままな都合で出番が激減してしまいました。



ところで、私は自称ディレイフェチでして
ディレイは歪みにも負けないくらい個性があると思っています。

その上で、コンパクトのものでいえば
デジタルのディレイのほうが好きかもしれません。
特に
・高域を徐々に劣化させる
・コーラスでアナログ感を演出できる
・残念ながらアナログよりも線の細い感じのディレイ
あるいは、
・高域の劣化具合がアナログと比較してやや少なく
・音の中身が抜け落ちて輪郭だけが薄く残っていくようなディレイ


設定によるかもしれませんが、両方共意外と原音の邪魔をしません。




コンパクトでなければ、テープディレイが一番好きです。
とりわけチューブ駆動のやつがいい。
先ほど上げたデジタルのものより音が柔らかく、しかし
アナログよりはきれいに輪郭が残る。
そのくせ、原音と馴染みが良い。





まぁ、いずれにせよ用途次第なわけですが。

Human Gear Fine DS



…なぜLyu:Lyuの動画を貼り付けたかというと、
ストラトとマーシャルの間にこれを突っ込むとちょうどこんな感じの音がするからです。





レビュー第4弾です。
探せば結構見つかるのですが、割と長く使ってたので書いてみます。



Human GearのFINE DS、FINEシリーズのディストーションモデルです。
Human Gearは八木浩さん主催のメーカーでして、
公式サイトの各モデルをクリックしてみればわかるのですが、
なかなか興味深い商品紹介が目を引きます
(HSWでもそうでしたが、このへんを興味深いと捉えるか胡散臭いと捉えるか、
誇大広告じゃないのかと疑うかは自由だと思います)。
ベンジーこと浅井健一さんが使用しているvivaceなんかで一気に有名になったんですかね?
あんま詳しくないですが。
あと、エフェクターについては塗装が剥げやすいことで有名です。



さてさて本題。本機Fine DSについてです。
コントロールツマミは左からボリューム・ゲイン・トーン。
それぞれの間にあるスイッチは左が非対称/対称クリッピングの切り替え、
右側はプレゼンス(アンプでいうブライトスイッチ?)です。

ボリュームはゲインやトーンと調節しながら上げていく感じだと思うのですが
目盛りがないのでちょっと不便に感じました。
通常の使用では10時~12時の間で調節するのだと思うのですが
少し動くと音量が変わってしまうため、個体に書かれている文字を頼りに
毎回微調整していたのを思い出します。

ゲインは、回すとクランチからディストーションまでスムーズに可変します。
これに関しては特に問題ありません。

トーンは、ブライトスイッチとの兼ね合いで音の抜け具合などを調節する感じですかね。
ボリュームにやや関係するタイプのトーンでもあります。

クリッピングの切り替えスイッチは、非対称を選択すると
上から下まで出る強めの暴れる歪みになります。
対称クリッピングだと、上と下がやや削られ、扱いやすいです。
この時の抜け感を確保するために、トーンを上げるかブライトスイッチをonにするか
したほうがいいんじゃないかと思います(とはいえ、元々抜けの良い歪みではありますが)。

ブライトスイッチは、前述のとおりです。
非対称クリッピング時にonにすればちょっとギラギラになります。
ストラトのミドルかリアを基調にアンプの音を作り、フロントPUを選択してこれをかませば
グラマラスかつキレのあるトーンの出来上がりでした。



音の印象ですが、全体の傾向としてはクリアでモダンです。
ローは量感がありながら適度に締まり、中域はコシと旨みを持ちつつも滑らか、
高域は抜けの良いややファズっぽいキラキラ感があります。
非対称クリッピング・歪みは適度・ブライトスイッチonにしてJC-120につなぎ、
間にテープディレイ系のシュミレーターを入れてチャンネルリンクして
ストラトでCharごっこをしていると友人曰く「似ている。音だけは」との評でした。

ニュアンスの出は良いです。ボリュームの追従性も良いです。
BD-2よりやや劣るくらい?全然ギターのボリューム絞っても使えます。
他のペダルと同時使用時に、ブーストされるのはやや苦手です。
ブーストする場合は用途次第って感じでしょうか。
ただ、ゲインはあまり上げないほうがいいかもしれません。
アンプをブースト場合はトーンを絞ったほうがいいでしょうか。

ちなみにわたしは単体使用がオススメです。
このペダル自体、キャラは濃いめなので。


いろいろと書きましたが、肝は量感のあるミッドだと感じました。
上記Lyu:Lyuの音源はCDの音源と少し違うのですが、CDの方ですとよりわかります。
ファズっぽい高域やブライトスイッチのお陰で抜けるので、無駄にトーンを回す必要がなく、
いかにミッドの旨みを引き出すかを考えたほうがいい音が作れるのではないかと。
ボリュームつまみはアレですが、音は大好きなペダルです。